六訂版 家庭医学大全科 「正中神経麻痺」の解説
正中神経麻痺(手根管症候群)
せいちゅうしんけいまひ(しゅこんかんしょうこうぐん)
Median nerve paralysis (Carpal tunnel syndrome)
(脳・神経・筋の病気)
どんな病気か
正中神経のはたらきは、前腕を内側にひねるように回す運動(
正中神経は手首部にある手根管という狭いトンネルを通り抜ける構造になっており、周囲三方向を骨の壁、残りの一方は強靭な
手のしびれで睡眠中に目が覚めることは、この症候群に特徴的です。
検査と診断
正中神経が支配する筋の麻痺と
治療の方法
ほとんどの場合は安静で治癒します。タイピングや針仕事など手先を使うことを制限することが大切です。整形外科などで手首を固定するサポータを処方してもらい、仕事中や睡眠中に装着すると効果がある場合があります。それでも改善しない場合には、副腎皮質ステロイド薬の局所注射で効果がある場合があります。
難治例には神経開放術という外科的処置を行います。手術には、整形外科や脳神経外科などで手の外科を専門にしている医師に相談されることをすすめます。
野寺 裕之, 梶 龍兒
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報