正行伝説(読み)まさつらでんせつ

世界大百科事典(旧版)内の正行伝説の言及

【楠木正行】より

…その翌月に,河内の四条畷での最後の合戦に先だち,大和の吉野に後村上天皇をたずねた正行が,同地の塔尾の如意輪堂に参詣し,堂の壁板を過去帳に見立てて一党とともに記名し,あわせて〈返(かえ)らじと兼(かね)て思へば梓弓(あずさゆみ)なき数にいる名をぞとどむる〉の和歌1首を記しのこしたという話(同)も人口に膾炙(かいしや)したものである。しかし,いわば正行伝説とも称すべき一連の話題のなかで最も著名になったのは,〈桜井駅の別れ〉の場面であった。すなわち,兵庫湊川の合戦場に死を覚悟でおもむく正成が,随行していた長男正行(当時11歳か)に教訓を垂れて,あえて摂津の桜井の宿駅から急きょ本拠地の河内へと帰らせ,再起の時を期待させたという話(《太平記》巻十六)である。…

※「正行伝説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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