世界大百科事典(旧版)内の歳画の言及
【十長生】より
…十長生のうち日,月,雲,鶴は天上界の,松,鹿,不老草,山,石,竹は地上界の,また水,亀は水界の永遠の生命あるいは不老長生のシンボルであり,長生図はこれらの象徴物によってシンボライズされた不老長生の小宇宙を表すものである。十長生の構想はおそらく神仙思想の盛んであった高麗末期に成立したと考えられ,それが新年に貼る歳画として文人の間で喜ばれたことが李穡(りしよく)の《牧隠詩藁》の歳画十長生の詩からうかがえる。十長生はとくに老人の長寿を祝う吉祥図や,婚礼の際に新婦が持参する箸囊(刺繡したスプーンケース)の刺繡の模様に用いられていて,家族の長生を願う朝鮮の家族的信仰を示している。…
【正月】より
…この日,日本の雑煮に当たる餅湯(トックック)や甑餅を食べる。門排(金甲神将図)や歳画(鶏や虎の画や道教系の神像)を門や壁に貼って不祥を払う。また竹で編んだひしゃく形の箛(または竹ぼうき)を戸口や壁にかけて幸福をかき集める意とする。…
※「歳画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」