世界大百科事典(旧版)内の《歴史における科学》の言及
【教育学】より
…
【科学としての教育学】
このように教育学(ペダゴジー)は発展してきたが,社会科学の一つとしての教育科学という自覚が起こってきたのは遅れ,19世紀から20世紀にかけてである。大著《歴史における科学》(1954)で人類の科学の歴史をたどってきたJ.D.バナールはその最終章を〈第1次大戦後の社会科学〉とし,その一節として〈教育の科学〉をあげ,〈他の社会科学からやや離れて立ち科学的立場がさらに不確かな所に教育学がある〉とし,経済学,政治学,社会学などについで,教育学が社会科学として登場したと見たのである。その教育学では,理想的にいえば,誕生から死までの社会適応のための訓練過程と,人間がその社会を最善に利用または変革することを学びとる過程との総体が扱われるべきだとされた。…
【バナール】より
… 若い時から科学技術と産業,経済,政治の関係に深い関心をもち,処女著作《宇宙・肉体・悪魔The World,the Flesh and the Devil》(1927)は,人工臓器や宇宙植民を柱とする人類未来論の先駆となった。その後,マルクス主義にもとづき科学史・科学社会学の著作と科学者の社会運動・平和運動を組織することに活躍し,《科学の社会的機能The Social Function of Science》(1939)や《歴史における科学Science in History》(1954)などにより日本の学界にも大きな影響を与えた。【鎮目 恭夫】。…
※「《歴史における科学》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」