世界大百科事典(旧版)内の《歴史主義の貧困》の言及
【歴史主義】より
…したがって,コントやスペンサーのような単一的歴史発展論やマルクス的唯物史観のような歴史を貫く法則や類型の探求とは相反し,それぞれの時代と文化とはそれなりの価値をもちどれも絶対的とはいえないという相対主義に陥ることになり,これが歴史主義の危機を招いた。K.R.ポッパーは歴史主義と歴史法則主義とを含めて〈ヒストリシズムhistoricism〉と呼び,この両者がいずれも論理的に成り立たないことを論証した《歴史主義の貧困》(1957)を書いて徹底的批判を試みたが,これに対する反批判もさまざまであり,歴史主義の問題は今日なお未解決である。【森 博】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」