世界大百科事典(旧版)内の母権制社会の言及
【家族】より
…《母権論》は,原初的雑交Hetärismus期に次いで母権制あるいは女人政治制Gynaikokratieを想定し,父権制に先行するものとした。しかし出自原理の母系制と異なり,家族内において,さらには政治的・社会的領域において女が男に優越するとする母権制社会の存在は,今日では賛成を得ていない。バッハオーフェンは神話や墓のシンボリズムの解説を通して太古の女性支配を導出したが,農耕神,地母神,冥界神としての女神の優越,あるいは祭祀的場における女性の特権的地位は,世俗的局面における女性支配につながるものではない。…
※「母権制社会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」