民芸運動(読み)みんげいうんどう

世界大百科事典(旧版)内の民芸運動の言及

【民芸】より

…日本で民芸という場合,この実用性を重要視するから,西洋でいうフォーク・アートやポピュラー・アートとはおのずから内容の違いが生じる。われわれ民芸運動にしたがっている者がアートという字を避けたのは,アートが主として美術品をさし,とかく個人的作品を意味するのに対し,〈民芸〉は非個人性を特色とするのであって,この無銘性にこそ,われわれは大きな価値を認めだしたのである。西洋でのものの考え方は個人中心に傾きやすく,在銘品を偏重する傾向が強いために,どうしてもアート,すなわち美術という文字を用いたがるのであろう。…

【明治・大正時代美術】より

… なお,大正期に大家として世評の高かった工芸家には,陶磁の板谷波山(いたやはざん)や鋳金の香取秀真(ほつま),漆工の赤塚自得(あかづかじとく)(1871‐1936)らがいた。
[民芸の発見]
 帝展系の若い工芸家たちが,モダンな都会生活に適応しようとしたのとは反対に,同じころ,明治の工芸振興策が置きざりにしてきた民衆の日常雑器のなかにこそ美がある,と主張する民芸運動が興っている。帝展系工芸と民芸とは無縁だと思われがちだが,もともと両者は,明治の功利主義的精神が築いてきた近代日本文化に対する対蹠的反応だったといえる。…

【柳宗悦】より

…哲学者,民芸運動の創始者。東京に生まれた。…

※「民芸運動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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