世界大百科事典(旧版)内の水匪の言及
【グエン朝】より
… 一方,19世紀前半には北部デルタの可耕地面積はほぼ限界に達し,村落内部からの零細・無産農民層の流出が続き,一部は南部の開拓に,一部は匪賊化して北部の治安を擾乱した。匪賊の反乱は,1826年のナムディン省,33年のニンビン,フンホア各省,同年の山岳部各省でのノン・バン・バン(農文雲)の反乱など数多くあるが,なかでもグエン朝の根幹を揺さぶったのは1850年代に活発化する水匪の反乱である。水匪はトンキン(バクボ)湾北縁の多島海に拠って,ソンコイ川デルタに侵攻し,しばしば府城を陥れ,74年にはデルタ東部ハイズオン省のほとんどの村落が略奪されるという状況を呈した。…
※「水匪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」