世界大百科事典(旧版)内の水素活性化説の言及
【電子伝達系】より
… 生体内における糖や脂肪酸の好気的な酸化が種々の代謝中間体を含む段階的な反応であり,またその最終電子受容体が酸素であることは,20世紀初頭には広く認められるようになった。しかし1920年代までは暗黙のうちに,ある種の酵素の働きによって基質と酸素が直接反応すると理解されており,その際に基質の水素原子が活性化されるのか(ウィーラント=ツンベルクの水素活性化説),あるいは酸素が活性化されて基質に働きかけるのか(ワールブルクの酸素活性化説),という点に関してはげしい論争があった。結果的にみればこれらは,それぞれ真実の一面を強調したものであり,事実前者は多数の脱水素酵素の発見,後者はチトクロム酸化酵素の研究として結実した。…
※「水素活性化説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」