世界大百科事典(旧版)内の法の政体の言及
【法律による行政】より
…もともと,この原理は,一般に,絶対主義国家における国家権力の主観的恣意的支配に客観的合理的な法一般を対置し,法による支配を実現し,それによって国民の権利自由を保障しようとしたところに端を発するものであり,制度的には,権力分立=三権分立と立法権の優位の思想を背景とし,それを行政権とのかかわりで表現したものである。〈法治国家Rechtsstaat〉(ドイツ),〈法の支配rule of law〉(イギリス),〈法の優位supremacy of law〉(アメリカ),〈法の政体régime de droit〉(フランス)などの言葉は,ほぼ共通して上述のような内容のことを意味するのであるが,しかし,それらの言葉で語られる〈法律による行政〉の原理の具体的内容は,時代と国によって必ずしも同様ではなく,それぞれの国の歴史的社会的背景の差異を強く反映したものであった。
[明治憲法下の法律による行政]
明治憲法下の日本の行政法,行政法学は旧時代のプロイセン・ドイツの〈法律による行政〉の原理Prinzip der gesetzmässigen Verwaltung,Prinzip der Gesetzmässigkeit der Verwaltungの基本的考え方を採用した。…
※「法の政体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」