世界大百科事典(旧版)内の波動一元論の言及
【量子力学】より
…シュレーディンガーは,マトリックス力学が運動の時間的,空間的に連続な記述を断念したことに物理学の武装解除だとして反発し,量子飛躍を波動ψの連続的変化でおきかえようとしたのである。電子のような粒子も,実は空間の小さな領域にかたまってその外では0であるような波動(すなわち波束)であるという波動一元論を主張したが,そのような波束は一瞬のうちに拡散してしまい粒子とはみなせなくなるというローレンツの批判に屈した。それと同じ26年にボルンが波動関数の確率解釈を提出し,これによればシュレーディンガーの方程式からラザフォードの散乱公式が自然に導かれることを示した。…
※「波動一元論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」