世界大百科事典(旧版)内の深履の言及
【くつ(沓∥履)】より
…黒い漆を塗った烏皮(くりかわ)舃は皇太子や諸臣の礼服(らいふく)用,緑舃は内親王や三位以上の内命婦(ないみようぶ)がはいた。履には浅履と深履があり,浅履は浅い木彫りのくつで,天皇や文官の朝服に,深履は皮の長ぐつで,雨天や積雪のとき貴族がはいた。わら製の長ぐつは藁深履といい,天皇や上皇が雪見に,毛皮製の毛履(けぐつ)は貫(つらぬき)ともいい,検非違使(けびいし)や鎌倉時代の武将が乗馬や軍陣で用いた。…
【深沓】より
…公家の外出用の履物の一種。激しい雨や深雪のときの所用とされている。足首から上の立挙(たてあげ)と呼ぶ筒の部分も含めて,すべて牛の革製で,表面を黒漆で塗りこめ,袴の裾口にふれる立挙の縁には染革をめぐらしている。この縁革は無文の紫革を常としたが,検非違使(けびいし)は青革を用いた。なお,庶民は雪中遠くに出かけるときは,わら製の深沓(履)を用いた。沓(くつ)【鈴木 敬三】…
※「深履」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」