火成岩成因論(読み)かせいがんせいいんろん

最新 地学事典 「火成岩成因論」の解説

かせいがんせいいんろん
火成岩成因論

petrogenesis of igneous rocks

火成岩の多様性の起原に関する一般論や個々の岩石区・岩体の形成の成因論。N.L.Bowen(1928)は1気圧下の溶融実験結果に基づき,玄武岩質マグマからの結晶分化作用により多様な火成岩が導かれるという考えを提唱した。1960年代以降の高圧実験,微量元素,同位体組成,分析電顕などにより,火成岩成因論は精密さを増し,さらに,70年代後半以降は流体力学の手法,イオンプローブ,モデル計算などの導入により,新たな成因論が展開されるようになった。この間,マグマ混合マントルの不均質性,下部地殻アナテクシス,液相不混和,混成作用ソレー効果などの分化過程の定量的な評価が可能となりつつある。参考文献P.Hess(1989) Origin of Igneous Rocks, Harvard Univ. Press

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世界大百科事典(旧版)内の火成岩成因論の言及

【結晶分化作用】より

…特に,結晶作用によって,もとのマグマとは異なる化学組成の岩石が生ずることを結晶分化作用という。マグマの分化は温度の降下に伴う結晶作用によって生ずるという考えは,20世紀初頭からイギリスのハーカーA.Harkerなどによって唱えられていたが,特に,ケイ酸塩溶融体の実験的研究にもとづいてアメリカのボーエンN.L.Bowenが強く主張した1920年ころから,火成岩成因論の主流となり現在に至っている。なお,ハーカーやボーエン以前には,マグマの分化は,マグマが液体である間に起こると考える研究者が多く,ソレーSoretの効果,液体不混和,ガスによる運搬,マグマの混合,マグマの混染などが分化をひき起こす原因であろうと考えられていた。…

※「火成岩成因論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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