世界大百科事典(旧版)内の火生三昧耶法の言及
【火渡り】より
…これは,修験者が山岳修行などによって体得した超自然力である験力を示す験術の一種で,刃渡りなどもその一連の行為である。正式には,火生三昧耶法といい,護身法によって自己を清浄にした後,本尊不動明王と合体したと観じ,みずからが火を統御しうる存在となって火を渡る。これによって,修験者は,みずからが不動明王の力を体得したことを民衆に納得させ,その力によって諸霊を操作して災厄の原因である邪神,邪霊の存在をつきとめ,加持祈禱などで治病,除災を行い,民衆の現世での不安,悩みの除去につとめたのである。…
※「火生三昧耶法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」