世界大百科事典(旧版)内の烏祭の言及
【カラス(烏∥鴉)】より
…記紀では八咫烏(やたがらす)を天照大神の使者としているが,現在でもカラスを山の神や祖霊の使わしめと考えたり,ミサキ,ミサキ神などと称して神使としたりする神社は多い。名古屋の熱田神宮,近江の多賀大社,安芸の厳島神社などもカラスと関係が深く,カラスに神饌(しんせん)を供して年占をする烏祭,御鳥喰神事(おとぐいしんじ)が行われる。ふだんの日にはカラスを害鳥として憎みきらう農家でも,正月の鍬入れ,鋤初めの日には,烏勧請(からすかんじよう)などといって積極的にこの鳥を招き,投げた餅を食べるか否かで収穫の豊凶を占ったり,田の3ヵ所に置いた食物のいずれをついばむかによって,その年に早・中・晩稲のどれをまくかを決めたりするなど,カラスに神意をうかがった。…
※「烏祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」