熏鞠(読み)ふすべまり

世界大百科事典(旧版)内の熏鞠の言及

【蹴鞠】より

…蹴鞠動作は,鞠足の地位や技能にしたがって,適当な懸の木を前にして,あるいは長く,あるいは短い継続時間で終了する。鞠はシカ皮製の白鞠または熏鞠(ふすべまり)を普通とし,演技に際してはマツまたはヤナギの枝に紙捻(こびねり)の緒で結びつけて持参するが,平常もていねいに取り扱い,ときには祭壇を設けて安置したので,近世にいたっては神として鞠の精をまつる風さえ生じた。鞠の装束も16世紀ころまでは改まった様式はなく,束帯,衣冠,直衣(のうし),狩衣(かりぎぬ),水干,直垂(ひたたれ)などの通常の装束でおこない,とくに運動の便から狩衣が多く用いられたが,天正(1573‐92)ころから長絹(ちようけん)の直垂様式を上につけて葛袴(くずのはかま)をはくことが例となって,正式の鞠装束とみなされ,鞠水干(まりずいかん)の名称でよばれるようになった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」