爆ごう波(読み)ばくごうは

世界大百科事典(旧版)内の爆ごう波の言及

【衝撃波】より

…もっとも,実在の気体においてはこのように強い衝撃波では高温のために分子の励起,解離,電離が起こるし,放射の影響も無視できなくなる。また燃焼,爆発などの反応が起こる場合はその影響(衝撃波を伴う爆発的燃焼は爆ごう,衝撃波は爆ごう波といい,圧力の急上昇とエネルギー発生が伴って起こる),また,電離した気体に磁場がかかっているような場合は電磁流体力学的効果がきいてくる。このほか,衝撃波の内部構造を論ずるには,粘性,熱伝導の効果を,強い衝撃波では非平衡効果,とくに実在気体では上に述べた効果の緩和現象を考慮する必要がある。…

【爆ごう(爆轟)】より

…火炎面は初め音速よりはるかに小さな速度で伝播しながら前方へ衝撃波を送り出すが,気体は前方で断熱圧縮を受ける結果,圧力が急激に高まり流速が小さくなるため後方からの衝撃波がつぎつぎと追いついてきてさらに圧力が強められ,ガスの温度が高まって自然発火する。それから先は反応による発熱を伴った火炎が超音速(通常1500m/s以上)で伝播する爆ごう波detonation waveとなる。このように爆速は初め小さい(爆燃)が,しだいに上昇して音速を超えやがて一定となる(爆ごう),という転移を伴うのが爆発現象において一般的である。…

【爆発】より

…これに対して,爆ごうは燃焼の伝播が加速を受けたとき,その前方に生ずる圧縮波が成長して衝撃波となり,これと火炎が合体して進む現象である。この波動は火炎伝播のときの燃焼波に対応して爆ごう波と呼ばれ,衝撃波を伴うので波面を境にして温度,圧力,密度などの特性値は不連続的に上昇する。爆ごう波の移動速度は媒体の状態,種類等によって変わるが,数千m/sに及び,つねに媒体中の音速より速いので圧力の伝達は方向性をもち,その大きな圧力効果により周囲に強い破壊作用をもたらす。…

※「爆ごう波」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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