世界大百科事典(旧版)内の率居奴婢の言及
【奴婢】より
…公奴婢は人頭税として綿布1匹,米2斗の〈身貢〉を収めたため,所属官衙の財源の一部でもあった。私奴婢(私賤)は,主家に同居する率居奴婢と別居する外居奴婢があるが,いずれも主家にとっては生産手段の一部であるし,売買,贈与,入質,相続の対象となる貴重な財産である。このため奴婢・良民間,公私奴婢間に生まれた子の帰属が問題となった。…
【モスム】より
…モスムの本来の性格は,資本主義的な農業労働者でも奴隷でもなく,宗属関係や債務関係にもとづく労働力提供の形態であったと思われる。しかし1894年の私奴婢解放以後には,従来の率居奴婢(独立した一家を形成せず,主人の家内に居住した奴婢)をもモスムと呼ぶようになったこともあって,近代のモスムの性格を一概に規定することは困難である。
※「率居奴婢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」