世界大百科事典(旧版)内の《現代大衆文学全集》の言及
【円本】より
…この成功を見て翌27年3月,新潮社は《世界文学全集》全38巻(のちに19巻増刊)を刊行し,48万人の予約者を獲得した。他の各社もこれにならい,3月に春秋社《世界大思想全集》全126巻,5月に平凡社《現代大衆文学全集》正続60巻,6月に春陽堂《明治大正文学全集》60巻,28年11月に講談社《講談全集》12巻と続いた。そのほか,戯曲,美術,地理,読物など各分野からも円本企画を打ち出し,ついに《漱石全集普及版》20巻(岩波書店),《菊池寛全集》正続22巻(平凡社)などの個人全集にまでおよんだ。…
【大衆文学】より
…1925年秋に大衆作家の親睦機関として創設された二十一日会には本山荻舟(てきしゆう),長谷川伸,国枝史郎,平山蘆江,江戸川乱歩,小酒井不木(こざかいふぼく),正木不如丘(ふじよきゆう),矢田挿雲,土師(はじ)清二,白井喬二,直木三十三(のちに三十五と改める)が名を連ねているが,乱歩,不木,不如丘を除く他の者は時代小説家であった。またこのグループを中心に企画される《現代大衆文学全集》(平凡社)も圧倒的部分は時代物であり,ほかに探偵小説をふくむ程度で現代物ははずされている。日本の大衆文学が時代小説としてまず成立した裏には,当時の大衆の心理的要求が反映していた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」