世界大百科事典(旧版)内の現実感喪失の言及
【離人症】より
…行為の能動感,知覚の自己所属感,身体と自己の一体感,自己の同一性などが希薄化して,物事や自分自身についての実感が消失したさいの主観的な訴えに対して用いられる症状名。外の風景やそこにいる人物や木々が単に絵はがきでも見るようで,いきいきと感じられないと訴える現実感喪失,自分が自分として感じられなくなった,なにか今までの自分と違ってしまった感じがする,自分のしている行動に自分がしているという実感がない,自分の身体が自分として感じられない,などの人格感喪失が主観的に訴えられるだけで,他覚的には異常が見いだされない。これらは神経症,鬱(うつ)病,精神分裂病の症状として出現するほか,正常者でも疲労困憊(こんぱい)時に現れる。…
※「現実感喪失」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」