理念史(読み)りねんし

世界大百科事典(旧版)内の理念史の言及

【イデー】より

…また,本質ないし本質概念と等置されることがある。なお,ある時代・社会・文化に固有の諸理念の追究は〈理念史Ideengeschichte〉として,精神史・思想史・概念史の一翼を担うが,その形成も上記のドイツ哲学の理念観に基づく。K.W.vonフンボルトは個人の完全な形成を導く人間性の理念を掲げ,歴史の目標は人類を通して展示される理念の実現とし,ランケの世界史は各世紀の支配的傾向としての指導的理念の記述を重要視した。…

【思想史】より

…とくにドイツで,ヘルダーやカントらが歴史を超越的な人間精神の発展史ととらえ,ヘーゲルが現実と観念とを絶対精神(理念)の自己顕現とみる見方を確立すると,もろもろの思想を時代精神として全体史的・統一的にとらえる見方がひろがった。こうして,諸思想を横断して,主導的観念(たとえば歴史的理念,全体的精神,自由等々)の発展の諸相を内在的に記述する理念史Ideengeschichteあるいは精神史Geistesgeschichteとしての思想史が生まれた。 ディルタイは,精神的諸現象を生の構造連関から了解する精神科学を提唱し,この立場から,生の客観化された表現としての歴史,文化を重視して,精神史探求に哲学的基礎を与えた。…

※「理念史」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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