生得的言語能力(読み)せいとくてきげんごのうりょく

世界大百科事典(旧版)内の生得的言語能力の言及

【チョムスキー】より

… さて,生成文法理論は前述のようにフォーマルな規則を用いるため,やはり〈数学的〉と評されることがあるが,こちらは(上の形式言語理論とは異なり)あくまでも人間の言語に関する経験科学(つまり言語学)である。しかも彼は,そうした規則の体系としての文法――有限個の規則から無限個の文を生成し得る〈創造的〉な仕組み――は,単なる理論上の仮構ではなく,実際に言語使用者の〈知識〉として(自覚はされていなくとも)心理的に実在すると考え(併せて,従来の機械的な〈構造言語学〉への批判にも及ぶ),人間は,幼児期にこの文法の〈知識〉を形成し得るような〈生得的言語能力〉を備えていると見る。というのも,各言語は表面的な語順等こそ違うものの,それぞれの文法を十分にフォーマライズし,さらに抽象度の高い観点を加えて究明すると,思いのほか興味深い共通点が見いだされるのであり,〈およそ人類の言語の文法である以上は,どの言語の文法も備えている普遍的な性質(法則性)〉というものが存すると思われる。…

※「生得的言語能力」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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