世界大百科事典(旧版)内の生態系生態学の言及
【生態系】より
…リンデマンは若くして亡くなった(1942年に27歳で没)が,ミネアポリス(アメリカのミネソタ州)近くの小さな湖(シーダー・ボグ湖)で行った湖の生物の食物環と栄養動態についての研究から,生態系の重要な内容である食物連鎖,栄養段階,物質循環,エネルギーの流れなどを具体的に明らかにした。さらに53年にはオダムE.P.Odumの《生態学の基礎》が,また54年にはクラークG.L.Clarkの《生態学原論》が出版され生態学における生態系の概念は定着し,高次の総合性をもつ生態系生態学が個生態学や個体群生態学とならんで一つの重要な分野として認められるようになった。1970年代には,戦後の人口爆発,生活水準の向上,工業化の促進などに伴い公害問題や環境破壊問題などが注目され,生態系の語は日常語となり,シミュレーション・モデルなどによる生態系解析もごく当り前の手法となっている。…
※「生態系生態学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」