世界大百科事典(旧版)内の生殖質連続説の言及
【獲得形質】より
…これに対して獲得形質遺伝を否定するものも19世紀末から20世紀にかけ盛んにみられ,ドイツのA.ワイスマンはその代表格である。彼は生殖質連続説を提唱,次代を構成する生殖細胞以外,すなわち体細胞が受けた環境の影響は遺伝とは無関係であることを主張した(1885)。ネズミの尾を何代もくりかえし切っても変化がないとも述べている。…
【細胞学】より
… 生細胞の顕微鏡観察によって,細胞内浸透圧,細胞膜の半透性,原形質流動,繊毛・鞭毛運動,アメーバ運動などについて得られた生理学的知識は20世紀の細胞生理学へと発展した。 また,細胞分裂による遺伝形質の伝達についての知見,とくに生殖受精における核の行動の観察はA.ワイズマンによる生殖質連続説(1883年提唱されたもので,生殖細胞に含まれる生殖にかかわる要素が個体発生と受精を通じて次代へと連続して受けつがれるという説),さらに進化について獲得形質の遺伝を否定する進化論への道を開いた。 メンデルの法則が1900年に再発見され,20世紀に入って,09年にW.L.ヨハンセンがメンデルの各遺伝形質を規定する因子をgeneとよぶことを提案,11年にT.H.モーガン一派が遺伝子が染色体上に線状配列すると指摘するなど,遺伝子の基本的概念が生まれ,細胞遺伝学へと発展していく。…
※「生殖質連続説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」