世界大百科事典(旧版)内の田村高廣の言及
【阪東妻三郎】より
…映画俳優。〈阪妻〉の呼名で親しまれ,豪快な立回りを見せたチャンバラ時代劇の大スターであるのみならず,スクリーンでも実生活でもその人間的な大きさで知られ,なかば伝説化されている名優。本名田村伝吉。東京生れ。11世片岡仁左衛門の門下に入り,1923年,マキノ映画に入社。大部屋俳優から主役をつかみ,ニヒリズムと乱闘を魅力とした寿々喜多呂九平(すすきたろくへい)脚本の一連の時代劇《鮮血の手型》(1923),《討たるゝ者》《逆流》(ともに1924),《江戸怪賊伝・影法師》《墓石が鼾する頃》《異人娘と武士》《雄呂血》(ともに1925)等々で人気を博して,剣戟王・阪妻の異名を取り,〈目玉の松ちゃん〉こと尾上松之助の1人斬るごとに見得を切る〈旧劇〉の古めかしさを脱して,ダイナミックな剣戟を生かした新しいチャンバラ映画の全盛時代をつくった。…
※「田村高廣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」