知恵蔵mini 「男性不況」の解説 男性不況 労働市場において男性の価値が相対的に低下した状況。2009年にアメリカで生まれた男性(man)と不況(recession)を組み合わせた造語「マンセッション(mancession)」を和訳したもので、12年に出版された『男性不況――「男の職場崩壊」が日本を変える』(永濱利廣著、東洋経済新報社)により知られるようになった。男性向きの仕事が減少し、女性向きの仕事が増加した1990年代後半より、日本の労働市場で進行している。製造業の生産拠点の海外移転や建設業の衰退により男性向きの職場が減る一方で、医療・介護福祉分野の雇用拡大により女性向きの職場が増加していることが主な要因。失業率は98年に男女が逆転して男性の方が高くなり、2010年にはその差が過去最大にまで拡大、男女の賃金格差も年々縮小している。『男性不況』の著者は、非正規雇用や低所得の男性が増えることで、未婚率の上昇や少子化の進展にも影響を及ぼしていると指摘している。 (2013-2-26) 出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報