世界大百科事典(旧版)内の町人文化の言及
【元禄時代】より
…【塚本 学】
【元禄文化】
元禄期およびそれを前後する時期(17世紀末~18世紀初期)に形成された文化。町人と呼ばれる社会階層が文化の主体的な担い手となったこと(町人文化),上方の都市的発展とその環境が推進力となったこと(都市文化),奢侈的風潮にともない衣・食・住ほか生活の諸相に文化としての表現が認められること(生活文化),劇場や出版といったマス・メディアが成立したこと(大衆文化)などの諸傾向を指摘することができる。これらの傾向は総じて〈近世的〉といわれる特色を示しており,したがって元禄文化は,一面で17世紀前半~寛永期に頂点に達した上層町衆の文化(寛永文化)をモデルとしつつ,そこにみられた古典志向,貴族趣味,サロン性を克服し,より広範な町人層の参加のもと,18世紀以降における近世都市大衆文化の展開を用意したものと位置づけることができる。…
※「町人文化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」