留保判決(読み)りゅうほはんけつ

世界大百科事典(旧版)内の留保判決の言及

【手形訴訟】より

…証書訴訟は〈一定の金額の支払その他の代替物もしくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求〉について,証拠を証書のみに制限し簡易・迅速に審理裁判するための略式訴訟であり,為替訴訟は手形による請求を証書訴訟の方式で主張する場合に許される特別訴訟であった(旧民事訴訟法484~496条)。しかし,書面がありさえすれば簡易に取り立てることができるため,悪質金融業者に利用されるところとなり,また,その訴訟における判決(略式訴訟における判決であるため,通常訴訟で争う権利が留保されたところから留保判決と呼ばれた)に対する上訴審手続と通常訴訟との関係が複雑にすぎるなどの欠点があり,証書訴訟と為替訴訟は1926年の改正で廃止された。 しかし,その後,とくに戦後の不渡手形の頻発とこれに基づく訴訟の激増から,手形債権の迅速な実現のための立法措置を講ずべきことが経済界から強く要望されるに至り,1964年装いを新たにして制定されたのが手形訴訟・小切手訴訟である。…

※「留保判決」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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