世界大百科事典(旧版)内の異損戸率法の言及
【損田法】より
…一方それを超えた場合は,〈異損〉として,あらかじめ太政官に言上,10月30日以前にその坪付帳を進上,時として検損使が派遣され,処分が決定された。だが実際には国司の不実(虚偽)言上や過期言上は絶えず,833年(天長10)課丁数の多い戸を損戸として申告することに対し,損戸・得戸の課丁数を同率とすべきこと,また926年(延長4)調庸免除にかかわる損7分以上の戸を多く申告することに対し,損戸数(損5分以上の異損)を三分し,損7分以上の戸と損5分以上(5,6分)の戸を1:2とすべきこと(異損戸率法)などが令せられた。これらは租・調・庸の減少化を抑止しようとする政策であったが,9~10世紀にかけて進行するその減少化の流れは,それらによって止められるものではなかった。…
※「異損戸率法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」