世界大百科事典(旧版)内の疎外労働の言及
【単調労働】より
…単調労働は,機械化やオートメーション化が不可避的に要請するもので,1950年代後半以降の日本にも広く普及した。しかしこの性格の労働は,仕事に多様性や創造性を求める人間の本性に抵触する〈疎外された労働(疎外労働)〉の極みであるだけに,勤労意欲の低下,職場秩序の動揺,労使関係の不安定などをもたらす大きな可能性をはらんでいる。その可能性は,たとえば,労働時間の短縮や賃金の引上げが労働内容の貧しさを補償するに十分でないとき,やがてはより上位の仕事に変わっていくという展望の閉ざされているとき,完全雇用のなかでこのような仕事だけが唯一の選択ではないと労働者が感じるとき,あるいは学歴水準の向上などによってより〈おもしろい〉仕事をしたいという労働者の欲求が高まるとき,現実としてあらわれる。…
※「疎外労働」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」