世界大百科事典(旧版)内の《病名彙解》の言及
【食中毒】より
…江戸時代に最も多かった食中毒は,やはり細菌性食中毒で,今日と同じようにサルモネラ菌や大腸菌による感染型食中毒と,ブドウ球菌や腐敗菌による毒素型食中毒であったと考えられる。蘆川桂洲の《病名彙解》(1686)に,食傷として〈其ノ症胸膈痞塞,吐逆,嚥酸,敗卵臭ヲ噫シ,食ヲ畏レ,頭痛,発熱,悪寒シテ,病傷寒ニ似タリ〉とあるが,嘔吐,下痢を主症とする細菌性食中毒の症状を示している。江戸時代の医書などに〈泄痢〉〈泄瀉〉〈痢病〉など下痢をともなう胃腸病の名前がよくでてくるが,その多くは食中毒と考えられる。…
※「《病名彙解》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」