世界大百科事典(旧版)内の病理学者の言及
【病理学】より
…臨床医学の進歩とともに病理形態学の比重が軽くなったといわれるが,臨床検査所見と形態所見との違いは消滅するものではありえず,これからの発展のためには,形態検査の重要性はむしろ大となったともいえる。さらに人体における病変の種類がきわめて多く,組織,臓器が多岐にわたることに加えて,電子顕微鏡による超微形態の観察をはじめ,免疫組織化学による病態解析など,検索手技も多様化したために,蓄積された知見の量は膨大なものとなっており,全臓器,全疾患の病変を,一人の病理学者が把握することはほとんど不可能となり,各臓器専門別の病理形態学者が要請される現状でもある。このような病理形態学の細分化は,形態学に基本的な指導原理を求めにくいため,記述中心にならざるをえない学問分野の宿命ともいえよう。…
※「病理学者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」