世界大百科事典(旧版)内の白人神人の言及
【神人】より
…神主職,宮司職の配下に置かれ,種々の任務・職掌をそれぞれの伝統・習慣に応じて分担したが,神社組織での本末関係(本社と各末社との関係)により,本社に常勤奉仕する神人を〈本社神人〉,各地の末社を中核とする社領荘園に散在し,寄人として末社の任務に従事した神人を〈散在神人〉と称した。大和の春日社(現,春日大社)の例では,一部の特別の事例を除けば本社神人は黄衣(こうえ)(黄色の衣)を,散在神人は白衣(びやくえ)(白色の浄衣(じようえ))を,それぞれ制服として着用し,前者は〈黄衣神人〉,後者は〈白人(はくじん)神人〉と称されていた。 神人に課された任務には,神事祭礼のさいの雑役(ぞうやく),社域の警固,領地・領民の管理・監察,非常事態における軍事・警察的行動,神社の要求事項を中央政権に対して突きつける嗷訴(強訴)(ごうそ)の示威活動等々があって,ことに嗷訴は大寺院に付属して武装活動をなした僧兵のそれと並び称せられ,中世政治史上きわめて重要な意義をになった。…
【符坂油座】より
…中世,符坂の地(現,奈良市油阪町付近)を中心に,興福寺大乗院に保護されて繁栄した油座。この座衆は大乗院門跡に奉仕する寄人と春日社若宮の神木帰座などに従事する白人神人(はくじんじにん)の身分を兼ね,すでに鎌倉時代から特権的営業を認められていた。ほかに東大寺油問職・問丸の役割も果たし,木津の法華寺や長谷寺の油問丸を兼ねたこともある。…
※「白人神人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」