世界大百科事典(旧版)内の白僧の言及
【ロシア】より
…生涯不犯の誓いをたてた修道士は黒僧と呼ばれる。これに対して妻帯を許されて司祭などの職につく者は白僧である。末端の教区教会をあずかる司祭には無学の者もいて教区民からつねに尊敬されていたとは限らないが,信者の出生,死亡,結婚などはすべて教会に届け出て,しかるべき儀式を執行してもらわなければならず,年に1度の懺悔も義務づけられていたので,教会はあらゆる面でロシア人の生活に不可欠の存在であった。…
【ロシア帝国】より
…1880年代に廃止されるまで,この人頭税負担の有無でロシア社会は大きく二つに分けられ,僧侶と貴族,それにニコライ1世の創設した名誉市民は人頭税とともに兵役,体刑も免れた。 19世紀末に人口の7割以上がロシア教会に属したが,その僧はシノドの監督下にあり,独身の黒僧(修道士)と家族もちの白僧(俗僧)に分かれ,主教などの教会上層部は前者が占めた。村の司祭などとして民衆に接したのは後者であるが,その教養と生活水準は概して低く,社会的にも重んぜられなかった。…
※「白僧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」