世界大百科事典(旧版)内の皮剝ぎの言及
【賤民】より
…機織りも粉挽きも出生,成長と結びつく呪術的な仕事であり,娼婦は性という人間の内部にありながら人間を超えるものと結びついている点で,これらの人々も人間生活の二重の相貌の境界に生きる人々であった。このほか皮剝ぎ(皮),羊飼い,犬皮鞣工,家畜を去勢する者なども同時に共同体構成員ではない存在として賤視されていたが,彼らも動物とかかわる点で,人間の共同体を超えた世界と接していたのである。 煙突掃除人,乞食,遍歴楽師,陶工,煉瓦工なども共同体構成員になれない存在であり,特に遍歴芸人のような放浪者は定住民の共同体成員からは怖れられ,賤視される存在であったが,彼らも,土,火,水などとかかわる点で共同体にとって不可欠なものでありながら,他面で危険なエレメントと深くかかわる存在として怖れと賤視の対象とされたのである。…
※「皮剝ぎ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」