世界大百科事典(旧版)内の相対的窮乏化の言及
【窮乏化説】より
…とくに1960年代にかけての先進資本主義諸国における持続的な経済成長の過程で,労働者階級の物質的生活水準もいちおう向上しつづけるなかで,窮乏化説を継承する立場にも多様性が増してきている。たとえば,絶対的窮乏化より,国民所得総額中の労働者の分け前や生産性の上昇に比しての実質賃金の上昇速度の減少に示される相対的窮乏化を重視すべきであるという見地も,一部に有力視されている。また絶対的窮乏化も,生活水準の低下にかぎらず,社会的欲望を一契機とする労働力の価値以下への賃金の低下傾向と解されたり,さらに広く労働諸条件,生活諸条件,失業の規模や期間,周辺の第三世界諸国の労働者の状態などを全体として考慮しなければならない問題とされるようになっている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」