真寂寺(読み)しんじゃくじ

世界大百科事典(旧版)内の真寂寺の言及

【三階教】より

…したがって,別仏・別法ではなく,あらゆる仏と経典(〈普仏〉〈普法〉という)に敬礼すること,人間は仏性の一片を身に備えているから,道で会う人にはだれにでも敬礼すること,自己否定としての布施(ふせ)に徹し,一切無一物をめざして財物を布施寄進すること(これを〈無尽蔵行(むじんぞうぎよう)〉という),僧は布施と乞食に徹し,開祖信行が埋葬を許さず,自分の身体も鳥獣に布施供養して風葬にしたことを理想とした。 三階教は信行が住持となった長安南郊の真寂寺(しんじやくじ)(唐代には化度寺(けどじ)と改む)を中心に,唐代中期まで北中国で栄えたが,一つには無尽蔵行によって寄進された財物が化度寺の無尽蔵院や各地の三階教寺院の功徳所(くどくじよ)に集められ,その資本運用にからんで僧団の腐敗が進行したこと,二つには信行に始まる激しい他宗派批判によって仏教界全体から異端視され,政府からも5度におよぶ弾圧を受けたことによって,8世紀中ごろから勢力を失い,地蔵信仰などと習合しながら民間に溶けこんでいった。その姿の復元と解明は,今世紀に入って発見された敦煌文書などから矢吹慶輝によって完遂されたものである。…

※「真寂寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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