《真言弁》(読み)まことのべん

世界大百科事典(旧版)内の《真言弁》の言及

【誠】より

…その真淵のまこと説は以後その門流に広く継承されていくが,下っては〈今わが思う心の真実を歌う〉ことを説いた小沢蘆庵(おざわろあん),〈自分の真心の誠をやすらかに調べととのえる〉ことを説いた香川景樹(かがわかげき)らの歌論となった。さらに,これらの諸説を総合する位置に,富士谷御杖(ふじたにみつえ)の〈まことは真言であり,神道によっても慰め難い人間の一向心(ひたぶるごころ)が,これを歌うことによって真心の境に至ることを可能にするのであり,また時宜(じぎ)を全うすることにもなる〉という《真言弁(まことのべん)》がある。【堀 信夫】
[近世思想における〈誠〉]
 誠という概念がとくに近世の武士たちの間で一つの意味を実質として獲得するに至ったことについては,近世的精神風土とかかわるところがさまざまな点で大きい。…

※「《真言弁》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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