世界大百科事典(旧版)内の石川の三つ物の言及
【石川勾当】より
…生没年不詳。《八重衣(やえごろも)》《新青柳》《融(とおる)》の作品は,〈石川の三つ物〉といわれ,いずれも大曲。《八重衣》は,八重崎検校が,また,《融》は,大坂の市浦検校が箏(そう)の手を付けて以来広まったといわれる。…
【新青柳】より
…地歌・箏曲の曲名。三弦は石川勾当,箏は八重崎検校作曲の京風手事物。《八重衣(やえごろも)》《融(とおる)》とともに〈石川の三ツ物〉の一つ。三味線組歌の《青柳》と区別する場合以外は,単に《青柳》とも。歌詞は謡曲《遊行柳(ゆぎようやなぎ)》のクセの部分をそっくり利用。遊行の聖が,白河関で出会った柳の老木(おいき)の精に念仏を授けたところ,夢枕に立った精が柳にちなむ故事を述べた後,蹴鞠のことや《源氏物語》の柏木の恋の話に話題が広がった場面を歌っている。…
【八重衣】より
…地歌・箏曲の曲名。石川勾当(こうとう)作曲の地歌の手事物で,《融(とおる)》《新青柳》とで〈石川の三つ物〉とされる大曲。石川自身も弾きこなせない難曲であったが,宮原検校(?‐1864)が八重崎検校に箏の手を付けさせてから,一躍有名になったという。…
※「石川の三つ物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」