破壊力学(読み)はかいりきがく

世界大百科事典(旧版)内の破壊力学の言及

【材料力学】より

…近年ではコンピューターの発達に伴って有限要素法などによる数値応力解析法が実用上有力な方法となっているが,理論的・数値的解法以外にも,ひずみゲージ法,光弾性法,モワレ法,応力塗料,X線回折法などによる実験応力解析法も用いられる。今日,このような応力解析法とともに,材料の機械的性質を力学,物性の立場から理論的に取り扱うことを目的とする材料強度学も材料力学の中心課題となっており,亀裂のある物体を取り扱う破壊力学は工業上も多大の寄与をしている。 物体の強さという概念は古くから存在したものと思われるが,材料力学として体系化される契機となったのは,ガリレイが提案したはりの強さを求める問題であるといわれ,これを解くための努力が続けられる過程で材料力学が形成されてきた。…

【破壊】より

…その原因は,実際の固体内には,原子の配列の乱れや原子の欠落などによるいわゆる格子欠陥,あるいは,それよりも大きな尺度の微小な空孔,亀裂が存在するためで,これらの欠陥および材料内に存在する分散粒子,介在物の近傍に応力集中が生じ,この応力集中のために理論強さより低い荷重で材料は破壊する。近年,材料の破壊を,材料に負荷された応力のみならず,これら材料内の欠陥,とくにもっとも危険な亀裂状欠陥を考慮して,定量的に取り扱う破壊力学が発展してきた。この破壊力学により,欠陥を含む材料の破壊抵抗,すなわち,破壊靱性(じんせい)を評価することが可能になり,さらに構造物の寿命・余寿命をも評価する可能性が生じ,破壊の取扱いに大きな発展をもたらしている。…

【破壊靱性】より

…このため,単に引張強さ等のみから構造物を設計するのはきわめて危険であり,材料中の微視的な欠陥を許容した設計が必要となる。これをある程度可能ならしめたのが,破壊力学のなかで導入された破壊靱性の概念であり,材料中に欠陥が存在する場合の破壊強さということで工学上きわめて意義が高い。破壊靱性は引張強さ等と同様に材料特性の一つであり,一般には亀裂進展過程を支配する力学的パラメーターがその材料の破壊靱性を超えた時点で破壊が起こることになる。…

※「破壊力学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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