世界大百科事典(旧版)内の碁盤歌の言及
【源順】より
…当代の代表歌人として多くの歌合に出詠し,966年(康保3)《源順馬毛名歌合》という馬の毛色や毛並みを歌で競う異色の歌合を主催したり,972年(天禄3)《規子内親王家歌合》には判者をつとめて判詞,判歌をしるしている。家集に《源順集》があり,その中に,仮名を覚えるための手習い詞〈あめつちの歌〉や盤の桝目形に歌を組み合わせてゆく〈双六盤歌〉〈碁盤歌〉など,機知的な技巧を発揮した言葉遊びの作がみられ,当時の新風を導く存在であったことが知られる。当時の受領身分の歌人たちに共通する不遇感をうたう詠も多く,〈しらけゆく髪には霜やおきな草言の葉もみな枯れはてにけり〉(《源順集》)などの自嘲的な歌もある。…
※「碁盤歌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」