《社会主義の諸前提と社会民主主義の任務》(読み)しゃかいしゅぎのしょぜんていとしゃかいみんしゅしゅぎのにんむ

世界大百科事典(旧版)内の《社会主義の諸前提と社会民主主義の任務》の言及

【改良主義】より

…その影響をうけた労働党も改良主義的である。しかし,〈改良主義〉という言葉が重要な意味をもって用いられはじめたのは,ドイツの社会民主党の党員ベルンシュタインが《社会主義の諸前提と社会民主主義の任務》(1899)で主張した路線をめぐってである。彼は社会的状況の変化に適切に対応すべきだとし,革命ではなく,資本の搾取的傾向を抑制するため議会を通じて民主主義を戦いとる運動,労働者の生活向上を組合を通じて実現する運動を進め,漸進的に社会主義をめざすべきだと説いた。…

【修正主義】より

… 最初に修正主義の烙印(らくいん)を押されたのは,19世紀末にマルクス主義に対して理論的批判を企てたドイツ社会民主党のベルンシュタインの主張であった。彼の《社会主義の諸前提と社会民主主義の任務》(1899)における問題提起,すなわち労働価値説および恐慌論への批判,窮乏化説および中間階級の両極分解説の否定,労働組合運動と議会主義による経済的・政治的民主主義推進の提唱は,当時のマルクス主義正統派の理論的・政策論的基盤であった資本主義の自動的崩壊論に対する批判を意味していたからである。こうした批判が生じるに至った背景には,世紀転換期における資本主義の新たな展開の下で露呈してきた大衆社会化状況と,労働組合の発展などに象徴される労働者階級の状態の変貌とを挙げることができよう。…

※「《社会主義の諸前提と社会民主主義の任務》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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