世界大百科事典(旧版)内の私功の言及
【開発】より
…10世紀以降の王朝国家期になると,中央政府より国内の支配を委託された国司は,基準国図に登録された公田に対して〈勧農〉を行い,公田の〈満作〉化のために開発・再開発を推進した。こうして荒野開発には,通常3ヵ年ないし4ヵ年の官物免除と雑公事免除などの特典が与えられ,かつその開発のために〈私功〉〈功力〉(種子農料などの開発資本)を投下した者をもって開発地の主(所有者)とする慣習法が12世紀には一般化した。かくして,一部の寄生的な特権的支配層をのぞく社会のほとんどの階級・階層が開発に情熱をもやし,開発およびその寄進によって,荘・保・別名などのさまざまな開発所領が成立する。…
※「私功」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」