秦律(読み)しんりつ

世界大百科事典(旧版)内の秦律の言及

【中国法】より

…それが完成の域に達したのは7代の武帝(在位,前140‐前87)のころであったと思われる。 秦律は魏からの亡命者,商鞅が孝公に重用されてから以後,もっぱら法家が朝廷に勢力を得て,その立法もしたがって法律万能主義により,刑罰が重きにすぎる弊があった。漢に入って秦の失敗にかんがみて,儒家がさらに勢力を伸ばし,立法裁判に儒教主義を加味すべきを唱え,法家と儒家の勢力争いがたびたび起こった。…

【律令格式】より


【中国】
 律・令・格・式なる4種の法典は歴代の政府が発布した六法全書のごときもので,古くは戦国時代に淵源し,唐代に至って最も完備されたが,宋以後変化が起こり,あるいはその重要性を失って新出の法典に座を譲り,あるいは形式名称を変えて旧面目を失うものが多いなかに,ただ律は明代に復興して大明律となり,さらに大清律となって清朝末期にいたった。 現今目睹しうる最古の刑法である律は秦律であり,1975年湖北省雲夢県の睡虎地で秦代の墓から1000余枚の竹簡を発見した中に,占卜書2種を除くほかはおおむね政治,法律に関する文書であり,数種類の秦律が含まれていることがわかった(睡虎地秦墓)。ことに注意すべきは政治文書の中に魏律が引用されている点で,後進国たる秦が,隣接する先進国の魏からたびたび亡命者を迎えて国政改革を図った歴史の記録がそのままの事実であったことが証明されたわけである。…

※「秦律」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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