世界大百科事典(旧版)内の稲荷神の言及
【職業神】より
…だが丁場(ちようば)と呼ばれる石切場で石材採掘をする山石屋のあいだでは山の神をまつる風習があり,11月7日に丁場にぼた餅,神酒を供えてまつり一日仕事を休む。 冶金,鋳金,鍛鉄の業,すなわち鑪師(たたらし)や鋳物師(いもじ),鍛冶屋の神としてその信仰のもっともいちじるしいのは荒神,稲荷神,金屋子神(かなやごがみ)である。荒神は竈荒神,三宝荒神の名があるように一般には竈の神,火の神として信仰され,なかには別種の荒神として地神,地主神あるいは山の神として信仰される場合もあるが,鍛冶屋など火を使う職業の徒がこれを信仰することは,火の神としてまつられる荒神の性格からきたものであり,それには修験者や陰陽師などの関与もあった。…
【荼枳尼天】より
…もともと荼枳尼天は狐と関係ないが,荼枳尼天を狐精とする《吒枳尼陀利王経》が偽撰され,近世の荼枳尼天曼荼羅では,狐に乗った天女の姿で描かれるようになった。こうした福神化の過程で,荼枳尼天は同じ福神の宇賀神や弁才天と同一視され,さらには稲荷神と同体とも説かれるようになった。荼枳尼天を祭る豊川稲荷(愛知県豊川市)は有名である。…
※「稲荷神」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」