世界大百科事典(旧版)内の穀物輸出奨励金制度の言及
【穀物法】より
…だが,王政復古後になると,国内における穀物取引の規制はもはや不要となり,穀物の輸出入規制こそが穀物法の主要な目的となる。そしてこの時期には,消費者の立場よりも生産者の立場が優先して保護されるようになり,穀物の輸入が関税によって規制されただけでなく,1689年からは,輸出された穀物にたいして国が報奨金を支払う穀物輸出奨励金制度が実施された。次いで18世紀の後半にはいると,穀物法問題は,イギリスが穀物輸出国から輸入国に転じたこと,穀物輸出奨励金が年々の国家財政を圧迫するようになったこと,そして,産業革命を背景に自由貿易を主張するブルジョア階級が興隆するにいたったこと等の事情のため,複雑な政治問題の様相を呈するにいたり,19世紀には,地主対ブルジョアの階級対立の争点を形づくることになった。…
※「穀物輸出奨励金制度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」