世界大百科事典(旧版)内の第二哲学の言及
【形而上学】より
…語源的には,アリストテレスの講義草稿をローマで編集したアンドロニコスが,《自然に関する諸講義案(タ・フュシカ)》すなわち自然学の後に(メタ),全体の標題のない草案を置き,《自然学の後に置かれた諸講義案(タ・メタ・タ・フュシカ)》と呼び,これがメタフュシカmetaphysicaと称されたことに基づく。内容的には,第二哲学としての自然学に原理上先立つ存在者の一般的規定を扱う第一哲学,自然的存在者の運動の起動者としての神を扱う神学を含む。ここから,自然的存在者の諸分野,諸原理を超えた(トランス)最高の原理,実在を扱う超自然学と解され,のち一般に経験的現象を超越した実在,原理あるいは仮説,想定に関する理論的考察という意味に使用される。…
【自然哲学】より
…〈自然哲学philosophia natu‐ralis〉という言葉はセネカに始まるが,起源はソクラテス以前の自然学者たちによる自然(フュシス)の原理探究にさかのぼる。アリストテレスは運動する存在者に関する自然学を第二哲学と呼び,運動の起因者としての神の探究はこれを第一哲学(形而上学)にゆだねた。ストア学派以来,自然学は論理学,倫理学とともに哲学の主流であり,中世ではキリスト教の教義とともに創造神による被造物の全体が自然と解される。…
※「第二哲学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」