世界大百科事典(旧版)内の粘着気質の言及
【気質】より
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[気質の分類]
こんにち最もすぐれた気質類型論として通用しているのは,やはりドイツの精神医学者クレッチマーのそれ(1921)であろう。彼は,内因精神病である精神分裂病と躁鬱病をもとにして,正常者の気質を引き出し,これを〈分裂気質〉〈循環気質〉と名づけたが,のちに,癲癇(てんかん)についても同様の分析を行って,これと親和的な〈粘着気質〉を見いだし,こうして三つの基本類型を同じ水準で並列させた。その根拠になったのは,分裂病者や躁鬱病者の病前には特別の気質がある程度まで共通にみとめられること,この同じ気質は彼らの家系のうちにも見いだせること,分裂病や躁鬱病の示す心理的特質はこれらの気質を拡大し誇張したものと考えられることなどで,こうした知見は癲癇病者の場合にも当てはまるという。…
※「粘着気質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」