糖尿病性ニューロパチー(読み)トウニョウビョウセイニューロパチー(その他表記)Diabetic neuropathy

デジタル大辞泉 「糖尿病性ニューロパチー」の意味・読み・例文・類語

とうにょうびょうせい‐ニューロパチー〔タウネウビヤウセイ‐〕【糖尿病性ニューロパチー】

糖尿病性神経障害

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

六訂版 家庭医学大全科 「糖尿病性ニューロパチー」の解説

糖尿病性ニューロパチー
とうにょうびょうせいニューロパチー
Diabetic neuropathy
(脳・神経・筋の病気)

どんな病気か

 糖尿病により末梢神経が侵される頻度は極めて高く、治療を怠ると、時に下肢を切断することにもなります。

原因は何か

 糖尿病性ニューロパチーの原因には2つあり、病型は3つの型に分類できます。

 ひとつは、糖尿病による代謝障害により、手足の先(遠位部)から感覚障害(しびれ、ぴりぴり感など)が現れ、次第に体の中心に向かって左右対称に進んでいきます。これを多発性ニューロパチーといいます。

 糖尿病ではまた、小血管の動脈硬化が現れ、神経に栄養を送っている栄養血管に血液が行かなくなり(虚血(きょけつ))、手足に行っている神経がばらばらに侵されてきます。これを虚血性ニューロパチーといい、その結果、多発性単ニューロパチーと単ニューロパチーが起こってきます。前者は、ばらばら(多発性)に1本1本の神経(単神経)が非対称性に侵されるもの、後者は、動眼(どうがん)神経、外転(がいてん)神経や手にある正中(せいちゅう)神経(手根管(しゅこんかん)症候群)など1本の神経だけが侵されるものです。

治療の方法

 治療法の選択は、代謝性によるものなのか、虚血性によるものなのかにより異なります。

 虚血性のものならば、末梢循環をよくして血行を改善することが重要になります。痛みの強い、有痛性感覚性ニューロパチーが起こったり、四肢末端が赤く、異常な感覚を伴う肢端紅皮症(したんこうひしょう)がしばしばみられ、治療が難しいことがあります。痛みに対しては、メキシレチン、カルバマゼピン抗けいれん薬)などでコントロールしていきます。

 代謝性障害によって起こる多発性ニューロパチーの治療は①血糖のコントロール、②代謝障害改善薬として、アルドース還元薬(キネダック)が使用されます。

齋藤 豊和

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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