納経厨子(読み)のうきょうずし

世界大百科事典(旧版)内の納経厨子の言及

【厨子】より

…この形式のものが寺院の法会・儀式などの際,本尊画像奉懸の具として平安時代からの文献に多出するようになる仏台に当たるものであろう。 内部に経典類を納める納経厨子の奈良時代における確たる遺品は知られないが,先述した東京国立博物館の竹厨子が,761年(天平宝字5)の《法隆寺東院縁起資財帳》に記載のある法華経など20巻を納置した斑竹(まだらだけ)厨子2基のうちの一つに当たるとされる。しかし文献には780年(宝亀11)の《西大寺資財流記帳》に木製漆塗りの経厨子がいくつかみられ,その表面には更に雑丹で彩色したり,平文(ひようもん)板法(金属の薄板を文様に切り,漆面に貼りつけたのち,再び漆を塗って研ぎ出したり,文様部分の漆をはぎおこしたりしたもの)をほどこしたものが使用されている。…

※「納経厨子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」